オンリーワンは創意である。

最近、環境関連として再度注目を集め始めたシャープの前社長、町田勝彦の書いた書籍。

オンリーワンのビジョンをかかげ、トップブランドに。
日本でのモノづくりにこだわり、リストラをしない「しん・日本型経営」
シャープ会長が公開する「オンリーワン経営」の真髄

帯には上記のように書いてありますが、経営に携わることの無く現場で頑張っている若手のサラリーマンでも充分に楽しめる本です。

目次

  1. オンリーワン経営 「国内で販売するテレビを2005年までにブラウン管から液晶へ置き換える」
  2. 日本で製造業を極める
  3. 企業の力はブランド力
  4. リストラなき日本型経営
  5. オンリーワンは創意である
  6. 人にマネされるものをつくれ シャープの「風土」が生んだAQUOSケータイ
  7. 環境先進企業へ 創業百周年への夢

町田社長のとにかく口にすること。口にして、周りを巻き込んで実行する。巻き込まれた周りは始めのうちは驚くがやがて着いてくるようになる。社長ともなれば、周りの人間を巻き込むことが仕事の一つであり、この手の話は社長の数だけあると思います。でも、周りを巻き込む事に関して、権力や立場を笠にして行っているだけにも関わらず自慢げな自伝はよく見かけますが、町田社長は違うことが本を読んでいくとわかります。

シャープに務める前の会社にいた時代に新人営業として地回りを行っていた町田氏は、なかなか地場の人に取引してもらえない日々が続きます。町田氏は取引をどうすれば行ってもらえるかを考え、子供の宿題を手伝うことにしました。
子供から信頼を得ると、やがて大人の信頼を得、取引をしてもらえるようになります。町田氏はとにかく考えて実行します。それも本を読んでいると考えていることは、決して突拍子もないことではなく彼の経験から来た割とオーソドックスな考えだとわかります。(社長になって以降は大風呂式を広げ始めます)

そして町田氏は「継続の必要性」、町田氏の言葉では「もうちょっとの心」が重要だと言います。町田氏は社長になって入社式に自分の経験を踏まえて以下のように伝えます。

優秀な君たちは、今は同じレベルにあるが、5年目ぐらいから差がつきはじめて、十年後には決定的な差が出ます。この差はなんでしょうか。先頭に立つ人間というのは、必ず他人よりもほんのわずかずつでも継続して頑張ったからなのです。

町田氏が言うことは、もしかしたら当たり前なのかも知れません。でも、最近、仕事で自分の立ち位置に悩んでいる私としてはかなり参考になりました。

自分の立ち位置や職場で悩んでいる20代、30代のサラリーマン、そしてこれから社会人となる学生でしたら読む価値がある本です。